コラム

2024/07/24

マンション売却 土地売却 家・戸建て売却

相続した空き家を売るなら3年以内がおススメ!空き家特例による「3000万円控除」が使えます

別に欲しくはなかったけれど、空き家を相続してしまった方もいるのではないでしょうか。

空き家は維持管理だけでも大変です。
空き家はできるだけ早く処分したいもの。
相続した空き家は3年以内の売却をおススメします。
売却したほうがよいのはわかるけれど、なぜ「3年以内」がいいのでしょう?

それは税務上の特例があるからです。
今回はいわゆる空き家特例について解説していきます。

 

相続した空き家は3年以内の売却をおススメする理由

空き家を相続しても、空き家のまま所有していれば何も生みだしません。
大きく分けると活用するか処分するかが必要です。
売却するのであれば、相続から3年以内の売却がおススメ。
なぜなら3年以内の売却だと適用できる所得税の特例があるからです。

それが空き家特例と呼ばれる制度です。

 

空き家特例とは

空き家を売却すると売却益が発生する場合があります。
この売却益にかかるのが所得税、特に譲渡所得税と呼ばれる税金です。
この譲渡所得税は、分離課税といって給料などの所得税とは別に課税されます。
譲渡所得税のもとになる譲渡所得は意外とシンプルで、次のような計算式です。

 

譲渡所得=譲渡価格(収入金額)必要経費(取得費+譲渡費用)特別控除額

 

譲渡価格は通常は空き家の売却代金、取得費は空き家を取得した際の購入代金、
譲渡費用は空き家を売却する際の仲介手数料や司法書士手数料です。
必要経費を控除してもなお、譲渡益がある場合で一定の条件がそろえば、
空き家を売却したことによる特別控除を受けられます。

これが通称、空き家特例と呼ばれる制度です。

 

空き家特例はどんな条件で使えるの?

空き家特例は、空き家を売却すれば無条件に適用されるものではありません
空き家の中でも条件に合致した空き家を、一定の条件のもとで取得しないと適用できないのです。
ここでは、空き家に関する条件と取引に関する条件にわけて解説します。

空き家の条件

最初は空き家の条件です。
空き家の特例が適用される空き家は、相続の開始の直前時点において、
亡くなった人が居住のために使用していた家屋で、以下に該当しないことが条件となっています。

 

・昭和56年5月31日以前に建築されたこと

・区分所有建物登記がされている建物でないこと

・相続の開始の直前において亡くなった人以外に居住をしていた人がいなかったこと

 

つまりまとめると、マンションを除いた、亡くなった人以外は住んでいなかった物件が対象です。

取得条件

続いて取得条件です。
空き家取得の経緯から、売却までの空き家の使用方法まで細かい条件が設定されています。
ほかの用途に利用するとそれは空き家とはみなされず、特例の適用は不可能です。
冒頭でお話しした「3年以内」に売却するのは、この取引上の条件となります。

・譲渡人が、相続または遺贈により空き家を取得したこと

・相続のときから譲渡のときまで事業、貸付け、居住などに使用していないこと。譲渡時に空き家が一定の耐震基準を満たすこと

・取壊したあとにその敷地を売る場合は、譲渡のときまで事業、貸付け、居住などに使用しておらず、取り壊し後にほかの建物や構築物などを建築していないこと

・相続開始から3年を経過した年の12月31日までに売ること

・売却代金が1億円以下であること

・ほかの特例の適用を受けていないこと(例外もあり)

・空き家等の売却先が親子や夫婦など特別の関係がある人でないこと

条件を詳細にみてみると、空き家を空き家のまま取得し、空き家のまま所有、そして3年以内に売却するというシナリオが見えてきます。
このシナリオから外れてしまうと、特例が適用できなくなるので注意が必要です。

 

空き家特例の利用方法

空き家特例を利用するには、確定申告が必要です。
サラリーマンだと確定申告はなじみが薄いもの。
例年2月15日から3月15日に申告します。
利用するには、必要書類を添えて申告します。
特例を利用した結果、結果的に納税額がゼロ円になったとしても申告自体は必要です。

詳しい利用方法は、税務署か税理士に問い合わせてみましょう。

 

特例適用の延長と条件の緩和

この空き家の特例は、令和9年まで適用を延長されました。
また、要件も一部緩和されます。
現行法では譲渡前に耐震改修工事や建物の取り壊しをする必要がありましたが、
それが譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの間に、耐震改修や取り壊しをすればよいことになりました。
一方で条件が厳しくなった面もあります。
相続人等が3人以上いる場合の控除額は3,000万円から2,000万円へ減額されました。

 

まとめ

空き家が高値で売却できる場合、助けてくれるのが空き家の特例です。
適用の条件は厳しいですし、空き家を売却しても適用できるかはわかりません。
もし空き家の売却を考えているならば、実際に売却する前に適用できるか考えておきましょう。
ただし判断が難しいので、特例利用を検討する際は専門家に相談することをおすすめします

 

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赤鹿地所では税務や法律などのサポートが必要な案件では

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