コラム
2024/03/20
不動産売却
不動産の相続のトラブルには事前対策が大切!相続のパターンごとにご紹介します
誰しも経験する可能性がある、不動産の相続。
不動産の相続には大きなお金が動くこともあり、トラブルが発生することは珍しくありません。
想定もしないトラブルにいきなり対応するのは難しいですが、予め起こりうるトラブルを知っておくことで、事前に対策ができ、いざトラブルが発生したときに冷静に対処することができます。
今回は不動産相続のよくあるトラブルについて、様々なパターンに分けてご紹介いたします。
■相続人が複数人存在
相続の際トラブルに発展しやすいパターンの1つが、相続人が複数人いる場合です。
一人一人の主張が違い、話が全然まとまらない!といったことはよくあるお悩みです。
このようなトラブルを防ぐには、以下のような対策があります。
・事前に遺言書を用意しておく
相続人の数が多いほど一人一人の意見が異なって、トラブルが発生する可能性が高くなります。
相続人が複数人いる場合には、トラブルを防ぐために予め遺言書を用意しておくとよいでしょう。
遺言書は法律で決められた方法で作成されるため、法的効力を持ちます。
財産の配分や特別寄与料について、だれにどれだけ相続させるかを具体的に示すことができるため、相続人同士のトラブルを防ぐことが可能です。
・不動産の分割方法は3種類!
複数の相続人がいる場合、1つの不動産を分ける方法として、
「①共有分割」「②代償分割」「③換価分割」の3つがあります。
<共有分割>
共有分割とは、相続人全員が1つの不動産の所有者となり、共有する方法です。
この場合、相続した不動産を売却したい場合や、建物を立て直したい場合、所有者全員の同意が必要です。
同意が得られない場合、相続した不動産を活用できません。
所有者全員で不動産を活用する場合は問題ありませんが、
今後不動産の利用予定が無かったり、将来的に誰かひとりが活用したいと考えている場合は早めに対策をしておく必要があります。
<代償分割>
代償分割とは、特定の相続人1人が不動産を相続し、相続人が他の相続人に代償金や一定の財産を交付する方法です。
不動産の相続人以外の相続人が代償分割で受け取れる財産額は不動産の評価額次第です。
不動産の相続人は不動産を所有することができ、その他の人は本来所有する予定だった分の金銭を受け取れるので、公平となるメリットがあります。
代償分割は主に、被相続人と同居していた相続人がその家に住み続ける場合や、事業用不動産を相続する場合などによく利用されます。
<換価分割>
換価分割とは、不動産を売却し、利益を相続人で分ける方法です。
実際に売却で得た金額を分けるためシンプルでわかりやすいことがメリットです。
ただし売却期間が必要なことと、売却手続きが完了しないと代金を受け取れないので、物件によっては時間がかかってしまう場合があります。
・生前に遺言書の有無を共有しておきましょう
遺言書を制作しても遺言書の有無や所在が相続人に共有されていないと、スムーズに相続へ移れません。
遺言書が無いと判断され、遺産分割協議で話し合ったのちに、遺言書が見つかった場合、双方の内容が異なると遺言書が有利になることがあります。
しかし、協議の内容をそのまま維持することが可能なこともあります。
いずれにせよ、最初から遺言書があればもっとスムーズに手続きを進められるため、被相続人は生前から、相続人の誰か、あるいは全員と、遺言書の有無と在り処を共有しておくのがおすすめです。
■相続人以外が問題となる場合も!
将来住んだり活用したりする予定がない不動産や、不動産の所有者の登記変更ができていない場合など、相続人以外が問題となっているケースもあります。
・住む予定がない不動産を相続する場合
不動産を相続したものの将来的に住む予定がない場合、空き家や空き地になってしまいます。
放置にはリスクがあり、空き家の場合は倒壊や崩壊、空き地の場合は不法投棄や害虫・害獣被害に繋がる恐れも。
ここから周辺住民とのトラブルに発展することも珍しくありません。
現時点で住む予定がない不動産は、賃貸に出したり売却をしたりすることで、ほったらかしになってしまうことを防ぎましょう。
特に遠方に住んでいて自身での管理が難しい場合は早めに地域の不動産会社に相談してみることをおススメします。
・所有者の変更ができていない場合は注意!令和6年4月より相続登記が義務化
不動産の名義変更はこれまで義務ではなかったため、被相続人の前の代から名義変更されていない場合があります。
相続した不動産を自分のものだと証明するためには、名義変更の手続きを行う必要があります。
さらに、令和6年4月1日からは相続登記が義務化され、名義変更を怠ることで10万円以下の過料となってしまう可能性があるため、もし心当たりがある場合は弁護士や司法書士などの専門家に依頼し、対応しておきましょう。
■まとめ
不動産相続のトラブルは、事前にあらゆるパターンを想定しておくことで対策することが可能です。
この機会に、予め家族で相続について話し合っておきましょう。
万が一トラブルが発生した場合は、専門家に相談するのがおすすめです。