コラム

2023/10/18

不動産売却

不動産売却に便利な路線価の正しい見方・使い方

不動産の価格を調べていると、路線価という言葉に出会います。
この路線価、不動産業界や税務関係では当たり前に使われています。
ですが、一般の人にはまだまだなじみの薄いものです。
今回は路線価の調べ方や活用方法について解説します。
路線価をうまく利用すれば、売買価格が割高なのか、割安なのかもわかるようになります。

 

路線価

 

路線価とは

路線価には国税庁が公表している相続税路線価と、
市区町村が敷設している固定資産税路線価があります。

単に「路線価」といえば相続税路線価です。
国税庁や市区町村は、相続税や固定資産税の税計算のために
こうした路線価を活用しています。それぞれの路線価の特徴をみていきましょう。

相続税路線価

相続税路線価は相続税の計算のために用いられます。
相続において不動産は大きなウェイトを占めるため、その価値判断が重要です。不動産価格は簡単にはわからないため、国税庁は道路に価格を設定して「この道路に面した土地はこの路線価で価値を判断してもよい」としているのです。相続税路線価は実勢価格に対して8割水準の数字が設定されています。実勢価格が1㎡あたり10万円であれば相続税路線価は8万円です。

固定資産税路線価

市区町村が毎年の固定資産税を計算するにも路線価が使われています。
固定資産税路線価は平成に入るまで公表されていませんでした。こうした経緯もあり、相続税路線価ほど知名度がありません。路線価と言われると相続税路線価をイメージするのがこのためです。固定資産税路線価は実勢価格に対して7割の水準で設定されています。

 

路線価の確認方法

路線価には元々税金とのかかわりがあることがわかりました。
ではこの路線価はどのように調べたらよいのでしょうか。
それぞれの調査方法について調べてみました。これらの情報を使うと、
全国どこでも相場がわかってしまいます。
不動産業者でも参考によく見るといわれる路線価を自分で調べてみましょう。

 

国税庁

相続税路線価を管理しているのは国税庁です。
かつては分厚い路線価マップが発行されていました。
現在では国税庁が路線価専用のページを持っており、誰でも簡単に調べられます。
相続税路線価は毎年7月1日に公表され、全国の地価動向として注目されています。
ニュースで見たことがある人もいることでしょう。
相続税路線価は最新版だけでなく、過去のデータも閲覧できます。

国税庁ホームページはこちら

 

地価マップ

固定資産税を調査研究している、資産評価システム研究センターが
地価マップ」というサイトで公表しています。
全国地図から検索が可能で固定資産税路線価だけでなく、
相続税路線価や地価公示価格も検索可能です。
ただし、相続税路線価は更新までタイムラグがあり、
7月に発表される相続税路線価が11月頃更新
されます。

全国地価マップはこちら

 

路線価は査定額にどのように影響する?

路線価は全国の多くの場所を網羅しています。
これらを使えばどんな土地でも簡単に査定ができそうです。
ところが、相続税路線価を8割で、つまり0.8で割れば
その土地の価格がでてくるわけではない
のです。
ここでは路線価の注意点として、
路線価が査定額にどのように影響するかみていきます。

個別の要因は反映されていない

2種類の路線価はいずれも土地の個別的な条件を反映していません
土地はそれぞれ大きさも違いかたちも違います。
そうした違いが、土地価格の違いとなるのです。
例えば住宅地では道路が南側にあったほうが高く取引されます。
同じ街路に面していても道路の北側にある土地と、
南側にある土地では価格が違うのです。
このように同じ路線価であっても隣や向かいの土地と同じ価格とは限りません

路線価がない場所もある

相続税路線価は原則として市街化区域にのみ設定されています。
市街化調整区域にはありません。
また、区画整理といってまちを造り変えているような場所にも設定されていないことがあります。
ちなみに固定資産税路線価は市街化調整区域にも設定されています。
このように、路線価がない場所があるので注意が必要です。

 

路線価だけで査定はできない

こうしてみていくと、路線価だけ確認しても土地価格を出すのは難しいことがわかります。
もともと路線価は相続税や固定資産税を課税するためのもの

そもそもの目的が違うのです。

路線価は、たしかにそのエリアのおよその相場を示してくれます。
ただ、それだけでは土地価格は決定できません。
路線価はあくまで参考程度にとどめておきましょう。

まとめ

路線価は使い方によっては便利な情報です。
実際に不動産業者でも査定にとりかかるときには相続税路線価を参考しています。
それでおよその価格水準は把握できても、それだけで判断しているわけではありません。
路線価以外にも多くの情報が必要です。
やはり査定や土地価格に関する意見がほしいときには、
不動産の知識があるプロに依頼したほうがよいでしょう

 

赤鹿地所では、アカシカグループとして60年以上姫路エリアで
不動産業を展開してきたことから、1万件以上のデータを保管しております。

 

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