コラム
2022/06/06
土地とお金
路線価ってなに?調べ方や見方、計算方法
路線価とは、土地を取得・所有したときに、どれくらいの税金がかかるかを求めるのに使われる指標です。
ただ、路線価」を理解している方は少ないのではないのでしょうか。
「路線価」は相続税や贈与税、固定資産税などの基準になります。
路線価の調べ方をチェックしおくと、いざという時に困りません。
ここでは、
・路線価とはどういったものか
・路線価の調べ方や路線価図の見方
をわかりやすく解説します。
路線価について…公示価格や実勢価格との違い
路線価とは何かについて解説します。
路線価は、道路に面した土地の価格のことです。
土地を相続したときや贈与したときにどのくらい相続税・贈与税がかかるかは、この路線価を元に算出します。
路線価には「相続税路線価」「固定資産税路線価」の2種類があります。
相続税路線価とは
主に相続税・贈与税の計算で使われる
固定資産税路線価とは
主に固定資産税の計算で使われる
路線価は、毎年7月1日に国税局や各地税務署で発表されます。
相続や贈与により土地の評価額を計算するときは、相続や贈与が発生した年の路線価を見ます。
誤って前年の路線価を使わないように注意しましょう。
路線価と公示価格や実績価格との違い
不動産の価格に関する言葉は、路線価以外にもいくつかあります。
ここでは路線価と公示価格、実勢価格の違いを解説します。
路線価・・・道路に面した土地の評価額で、国税局が定める
公示価格・・・土地取引の目安として、国土交通省が毎年発表する価格
実勢価格・・・実際に市場で売買される価格で、日々変動する
多くの場合、実際の取引では路線価や公示価格より実勢価格が重視されています。
路線価の調べ方~国税局ホームページを活用~
続いて、路線価の調べ方を見ていきましょう。
路線価を調べる際によく使われる「国税庁ホームページの路線価の調べ方」を解説します。
国税庁のホームページは、常に最新の路線価が確認できるようになっています。
まずは、こちらにアクセスします。
①地図から、都道府県を選ぶ
②目次から「路線価図」を選ぶ
③検索したい市区町村を選ぶ
④町名(番地)から路線価図ページ番号を選ぶ
ここで路線価図ページ番号が複数ある場合は、該当ページをさらに探します。
⑤該当ページが見つかれば完了
路線価図を確認することができます。
ただ国税庁ホームページの路線価の調べ方は、
操作手順が多く難しい、路線価図が同じ町内にいくつもある場合は、1枚ずつ確認する必要がある、見づらい
などの意見もあります。
実は、もっと簡単に路線価を調べる方法があるんです!
路線価をさらに簡単に調べる方法とは
「全国地価マップ」は、簡単に路線価を調べることができ、かつ見やすいです!
全国地価マップでは、
住所の入力や目標施設の入力で簡単に検索できますよ。
ネット以外では、国税局や国税事務所、税務署にいくと路線価図を確認できます。
路線価図の記号・数字・アルファベットの意味
国税庁のホームページにある路線価図には、それぞれの道路に
記号・数字・アルファベットが記載されていますが、初めて見る方には難しいですよね。
ここからは、路線価図に記載されている記号や数字、アルファベットの見方を解説します。
記号・・・「地区」
二重線の上に四角や丸などが書かれた図形は、ビル街や繁華街などの「地区」を表します。
図形の一部を網掛けや塗りつぶしにすることで、道路沿いの地区をさらに細かく区分する場合も。
このような地区を表す図形がない場所は、通常の住宅地区と考えます。
数字・・・「路線価」
数字は「路線価」そのものの価格を表します。
千円単位の表記なので、例えば550と書かれている場合は550千円、つまり55万円ということです。
アルファベット・・・「借地権の割合」
末に書かれているアルファベットは「借地権の割合」です。
アルファベットの順番が早いものほど、借地権の割合が高い(=借主の権利部分が大きい)と言えます。
アルファベット | 借地権の割合 |
A | 90% |
B | 80% |
C | 70% |
D | 60% |
E | 50% |
F | 40% |
G | 30% |
実際計算する場合は、補正をかけた数値で計算しよう
実際に路線価図を元に計算する場合、補正をかけた数値で計算する必要があります。
自用地(自分で使用している土地)の価格の計算式
補正を行った路線価 × 土地の面積㎡
↑必ず「補正」をかけた数値で計算します!
補正とは土地の形状や周囲の条件に応じて路線価を減額したり、増額したりすることです。
減額の補正は以下の5種類です。組み合わせて使う場合もあります。
補正の種類 | 内容 |
奥行価格補正 | 宅地の奥行が短い・長い |
不整形地補正 | 宅地がいびつな形状をしている |
間口狭小補正 | 用途に対しての間口が狭い |
奥行長大補正 | 間口に対しての奥行が長い |
がけ地補正 | 宅地にがけがある |
土地はキレイな四角形であるほど価値が高くなりますが、
間口が狭すぎる場合や、いびつな形などは価値が下がり、路線価が減額されます。
一方で、複数の道路に面している土地などは利用価値が高く、路線価を増額する補正をおこなう場合もあります。
まとめ
ここまで路線価について解説してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?
土地を探すときは広さや立地、販売価格に目が行きがちですが、
路線価も判断材料の一つになりそうですね。