コラム
2022/05/31
不動産売却
不動産相続でのトラブルは事前に対策を!
不動産の相続を含め、遺産を相続する際にトラブルが発生することは珍しくありません。
もし困ったことになった場合も、似たような事例を把握しておくことで対策ができます。
今回は不動産でよくあるトラブルについてご紹介いたします。
■相続人が複数いるケース
「相続人が何人もいて、話し合いをしても全然まとまりません!」といった話を聞くことがあります。
こういったケースでは、どのようにするとよいのでしょうか?
以下で解決策をご紹介していきます。
・遺言書が効果的
相続人の数が多いほど、意見が異なるトラブルが発生する可能性が高くなります。
相続人同士の意見の食い違いを防ぐには、遺言書が効果的です。
財産の配分や特別寄与料について明記しておくことで、
相続人同士のトラブルを防いで相続をスムーズに行えます。
・3つの分割方法
1つの不動産を複数の相続人で平等に分けたい場合、
「共有分割」「代償分割」「換価分割」の3つの方法があります。
<共有分割>
共有分割とは、1つの不動産を相続人全員で共有する方法です。
一見すると平等にも思える方法ですが、
相続した土地に新しく家を建てたい場合や既存の建物を取り壊したい場合は、所有者全員の同意が必要です。
同意が得られない場合、相続した土地や不動産を活用できません。
固定資産税についても代表者がまとめて支払う必要があるため、
支払わない相続人がいるとトラブルにつながります。
<代償分割>
代償分割とは、特定の相続人1人が不動産を相続する方法です。
不動産を相続した相続人は、他の相続人に代償金や一定の財産を交付します。
代償分割は、受け取る財産額は、不動産の評価額次第ではありますが、公平となるメリットがあります。
代償分割は主に、被相続人と同居していた相続人が住み続ける場合や、事業用不動産を相続する場合
などに利用されます。
<換価分割>
換価分割とは、不動産を売却し、出た利益分を相続人で分割する方法です。
換価分割は代償金等の準備もいらず、実際に売却で得た金額を分けるので、
不動産の評価額で争わないことがメリットです。
一方で、買い手が見つからないと分割は出来ません。
・生前に遺言書の有無と在り処を共有しておく
遺産分割協議後に遺言書が見つかった場合、協議後であっても遺言書が優先されることが多いです。
そのため、遺産分割協議で話し合った内容と遺言書に記載されている内容が異なる場合、
遺言書が有利になることがあります。
しかし、法的には協議の内容をそのまま維持することが可能なこともあります。
いずれにせよ、最初から遺言書があればもっとスムーズに手続きを進められるでしょう。
こうしたケースに対しては、生前から、相続人のうちの誰か、あるいは全員と被相続人との間で、
遺言書の有無と在り処を共有しておくのがおすすめです。
もしくは、被相続人が公正証書遺言を行っておくとよりよいでしょう。
・法定相続人が認知症の場合
法定相続人が認知症である場合、遺産分割協議に参加できません。
この場合は、家庭裁判所へ申し立てを行い、成年後見人を選任してもらいます。
そして、選任された成年後見は認知症の法定相続人に代わり、他の法定相続人と遺産分割協議を行います。
■相続人以外が問題となっているケース
住む予定がない不動産の相続や、不動産の名義人変更ができていない場合など、
相続人以外が問題となっているケースでは、どのような対応をすればよいのでしょうか。
・住む予定がない不動産を相続するケース
相続した不動産に住む予定がなく空き家になる場合、
放置してしまうと倒壊や崩壊の恐れがあるため、周辺住民への迷惑やトラブルに発展しかねません。
住む予定がない不動産は、
管理会社へ管理委託したり賃貸として貸し出したりするなどの適切な対応をするようにしましょう。
不動産の手放し方を事前に話し合うことで、トラブルを防ぐことにつながります。
・名義人変更ができていないケース
いざ相続が発生し、不動産の登記を確認した際、被相続人の前の代から名義変更されていない場合があります。
不動産の名義変更は義務ではないため、放置されがちです。
しかし、第三者に相続した不動産を自分のものだと証明するためには、名義変更の手続きを行う必要があります。
名義変更ができていない場合、自身で行うと膨大な時間と手間がかかるため、
弁護士や司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。
相続が発生する前に一度名義を確認しておくと安心でしょう。
■まとめ
不動産相続のトラブルは、事前に防ぐことが可能です。
家族に年配の方や病気の方がいる場合は、事前に相続について話し合っておきましょう。
万が一トラブルが発生した場合は、弁護士や司法書士に相談するのがおすすめです。